この度、長い間当協会の発展に貢献された相澤好治前理事長の後任として理事長を命じられました神山宣彦でございます。微力ではありますが当協会の発展に尽くす所存です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
本協会の前身は、平成6年(1994)9月に設立された任意団体の繊維状物質研究協議会で、石綿の代替化促進のために繊維状物質に関する講演会や研修会を主に開催しました。その協議会が作製・配布した種々の標準繊維状試料を用いた生体影響研究が活発に行われて、繊維状物質研究に寄与した歴史もありました。
一般社団法人日本繊維状物質研究協会は、そうした繊維状物質研究協議会を発展的に解消して設立した法人団体で、繊維状物質の製造事業関係者や取扱い労働者、使用環境で生活する人々などに対して調査・研究・技術研修・啓発等の事業を行い、健康障害や環境汚染の防止に寄与し、もって社会に貢献することを目的にしています。
本協会の設立から現在に至る10年間は、過去に建材製品等に使用された石綿が建物等の解体・改修工事等で飛散すると関係労働者等に重篤な健康障害が起きうるという危険性に対して、種々の行政的対策がなされた期間でした。本協会は、そうした問題に対応して、建材中や大気中の石綿計測に必要な分析用標準試料の販売、分析精度確保のためのクロスチェック事業、分析調査者講習会などを実施するとともに、毎年、繊維状物質研究学術集会および同セミナーの開催、会員向け機関誌「繊維状物質研究」を発行しております。
工業化社会では安全・快適な環境保持のために繊維状物質は必須の素材です。繊維状物質の使用においては、過去の石綿使用における失敗に学び、その生体影響や環境影響に係る調査研究結果に基づいた安全な製品等の開発が不可欠と考えております。>
このような協会の活動には関係各位の幅広いご支援が必要となります。皆様のなお一層のご協力をお願い申しあげます。